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○日記

男としてのレベル上げの記録です。

『行儀作法の教科書』の感想

行儀作法のABCを勉強しようと思って、手に取ったのが岩波ジュニア新書から出ている本書。「教科書」のタイトル通り、明治末期の行儀作法の教科書のベースとなっている「作法教授要綱」(文部科学省)に基づいて、おじぎの仕方や会話や食事のマナー、そして、ジュニア新書にも関わらず、贈答のマナーまで紹介されており、大人用としても十分実用に耐えうる内容です。直立の姿勢を提唱したのは、柔道の嘉納さんだというトリビアもあったり、なかなか楽しく作法を学べます。

行儀作法の教科書 (岩波ジュニア新書)

行儀作法の教科書 (岩波ジュニア新書)

行儀作法の各論については、本をみていただければと思うのですが、以下、私が気になった点を紹介させていただきます。

今の日本の行儀作法は、明治後期に形成された

著者によれば、それまでの行儀作法というのは、流儀が色々あったり、地域色が強かったうえに、外国文化の流入により、やや混乱状態にあったそうです。その状況を危惧した政府が作成したのが、上で紹介した「作法教授要綱」。識者に依頼して、全国の作法を調査し、まとめさせるという徹底ぶり。これをもとに作られた「小学作法」、「中学作法」という教科書が全国の学校で使われていたとのこと。
現代の基本的な作法の歴史って、意外にも新しいことに驚きました。確かによく考えてみると、貴族や武士、豪商などのハイクラスに属さない一般の民衆にとって、作法はあまり必要なかったのだと思います。民主化が進むとともに、こうした一般民衆向けの作法が必要になったということだと、私は理解しました。

戦前は、学校で作法が教えられていた

上で書いたとおり、全国の学校で作法が教えられていたというのは、もう一つの驚きです。「躾は家庭の責任」というのは、割と現代的な考え方なんですね。作法が出来た当初は、当然、家で教えることの出来ない人などいなかったでしょうから、これも当然といえば当然ではあるんですが、近年では、「学校で躾を」など言おうものなら、ややモンペ扱いされかねないと思うので、びっくりです。
個人的に、団塊の人たち前後で、マナーというかモラルに断絶があると感じているんですが、このあたりも関係あるのかなと思いました。

作法の基本的な理念は3つ

  • 人には敬意を払う
  • 物は大切に扱う
  • 体の所作を整える

マナーとモラルの違いって?

読んでいて思ったのは、モラルとマナーの違いって、どう整理すればいいのかってこと。例えば、はしの持ち方がイマイチなのは、モラルの問題か?これは、マナーの問題だと思う。たばこのポイ捨ては、モラルかマナーか。両方の問題かな?万引きは、モラルかマナーか。これは、マナーだという人は少ないだろう。

あまり、はっきりとした答えは得られていないけど、現時点では、モラルは、利害の対立を含んだ善悪の問題。マナーの場合は、不快になることを除けば、利害の対立がないっていう風に理解した。あと、モラルはどちらかというと不特定多数の社会に対して背負うもの、マナーは向かい合っている相手に対して背負うものって感じがする。この当たりが整理されると、色々すっきりしそう。